生化研では、植物(シロイヌナズナ、トマトおよびコケ)や藻類(ユーグレナ)などの光合成生物を研究材料として、様々な研究に取り組んでいます。主なキーワードは、「ビタミン・補酵素」、「活性酸素」、「レドックス」、「環境耐性・応答」、「光合成」、「バイオエネルギー」などです。 下の図に、石川、小川、丸田のグループごとに様々な研究テーマを示していますが、各々が完全に独立しているのではなく、同じベクトルを共有して密接に協力しあうことでより質の高い研究を目指しています。

 「生物化学研究室」の名の通り、私たちの研究は酵素や補酵素などのいわゆる生化学研究がベースになっています。そこを出発点に、生理学、分子生物学、遺伝学、オミクスなどのあらゆる分野・方法論を取り入れることで、常にin vivoin plantaを意識して生命現象の分子メカニズムを明らかにしようとしています。さらに得られた研究成果を応用すべく、遺伝子組換え技術などを用いてストレス耐性・高付加価値植物やワックス高蓄積藻類の分子育種を目指しています。

 以下に中心となるテーマを列挙しますが、より詳細な情報は各教員の個人ページを参照してください。

 各教員へのリンク:

 石川孝博丸田隆典小川貴央

 総合科学研究支援センターの芦田先生も研究室メンバーとして主に酵素化学的な視点から生化研のサポートに携わっています。

 

 

石川孝博グループ

○アスコルビン酸に関する研究
・アスコルビン酸生合成の分子機構、制御および進化

・アスコルビン酸輸送
・アスコルビン酸の新しい生理機能

○微細藻類ユーグレナに関する研究
・ワックスエステル発酵の分子制御機構とバイオ燃料への応用
・ユーグレナにおけるレドックス代謝制御

 

丸田隆典グループ

○植物独自のアスコルビン酸代謝機構
・アスコルビン酸生合成の調節機構
・アスコルビン酸再生の分子機構
・アスコルビン酸依存の抗酸化システム
・アスコルビン酸と環境順応

○アスコルビン酸代謝と酸化ストレス耐性

○アスコルビン酸代謝によるROSシグナルの制御
・葉緑体由来H2O2のシグナル伝達機構
・活性酸素誘導性細胞死の分子制御機構

 

小川貴央グループピリジンヌクレオチドおよびフラビンの代謝・輸送とその制御

○Nudix hydrolase (NUDX) familyの生理機能
・NUDXの機能分類

○ピリジンヌクレオチド代謝制御とストレス応答
・NADH加水分解酵素(NUDX6およびNUDX7)の生理機能
・NADPH加水分解酵素(NUDX19)を介したピリジンヌクレオチド制御

○フラビン代謝酵素の機能解析および輸送体の同定
・フラビン生合成遺伝子の機能解析
・フラビン輸送体の探索と機能解析

 興味のある方は、お気軽に各教員にご連絡ください。