石川 孝博 Ishikawa Takahiro

石川 孝博(いしかわ たかひろ)
mail: ishikawaあっとlife.shimane-u.ac.jp (“あっと”を”@”に置き換えて下さい)

 

■研究テーマ■

1)植物・藻類のビタミンC生合成の多様性と調節機構:植物や藻類などの光合成生物は非常に高濃度のビタミンC(アスコルビン酸)を含んでおり、その量は細胞壁やデンプンを除いた可用性糖質の最大で約10%にも達します。なぜ光合成生物が大量のビタミンCを合成でき、どのように調節しているのか?そのメカニズムについて、遺伝子やタンパク質の側面から分子生理学的手法を駆使して解明しています(下図①、③、④)。

2)植物ビタミンC輸送機構の解明:植物は細胞内ではミトコンドリアでビタミンCを合成した後、葉緑体やミトコンドリアなどのオルガネラへの細胞内(短距離)輸送や、ソース器官の葉から果実や根茎などシンク器官に組織間(長距離)輸送を行っています。この輸送機構の解明を目指して、アスコルビン酸輸送変異体や酵母発現ライブラリーから輸送体の単離と機能解析を行っています(下図②)。

ビタミンC

3)抗酸化酵素の機能解析:光合成生物は光合成により細胞内酸素濃度が高く、スーパーオキシドや過酸化水素などの活性酸素種(ROS)が容易に発生します。そのため光合成生物は多くの抗酸化酵素を発達させています。中でもアスコルビン酸を特異電子供与体とするアスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)は、葉緑体やミトコンドリア、ミクロソームなどROSが発生する細胞内コンパートメントにアイソザイムが局在し、細胞内ROS代謝の中心的役割を担っています。また最近ではペルオキシレドキシン(Prx)やグルタチオンペルオキシダーゼ様タンパク質などのチオールペルオキシダーゼファミリーの役割も注目されています。本項ではAPXやPrxの機能解析を行うとともに、これら改変植物や藻類を用いてレドックス応答機構について発現遺伝子やタンパク質の解析を進めています。

)微細藻類ユーグレナからのバイオ燃料生産:一般には’ミドリムシ’として知られている微細藻類ユーグレナの持つ特徴のひとつに、好気条件下において蓄積した貯蔵多糖パラミロン(b-1,3-グルカン)から、嫌気条件下でワックスエステルに変換する能力があります。ワックスエステルは、C14脂肪酸のミリスチン酸を主成分としており、バイオ燃料への利用が期待されています。またユーグレナは、一般の生物では生育不可能な40%という高濃度の炭酸ガスでも生育可能です。これはすなわち、火力発電所の排気ガス(10~15%の炭酸ガスを含んでいます)でパラミロンを合成させ、その後ワックスエステル発酵でバイオ燃料を生産するという理想的なカーボンニュートラルが達成可能です。この研究では、このユーグレナのワックスエステル発酵調節機構や高濃度炭酸ガス耐性機構を遺伝子やタンパク質レベルで解明し、バイオ燃料の効率的な生産を目指しています。

バイオ燃料

所属学会

日本農芸化学会、日本植物生理学会、日本分子生物学会、日本ビタミン学会、マリンバイオテクノロジー学会、ユーグレナ研究会

 

業績リスト

[論文・総説など]

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[招待講演・セミナーなど]—-改訂・追加中

  • T.Ishikawa, M.Tamoi, K.Suzuki, S.Shigeoka, Euglena gracilis is a fascinating resource for isolating useful genes. The 9th Asia-Pacific Marine Biotechnology Conference, 15th-July-2012, Kochi, Japan
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  • 石川孝博, 光合成生物におけるアスコルビン酸生合成経路の解明とその酸化還元系による植物レドックス応答機構解析への展開.筑波大学生命環境科学研究科環境バイオマス共生学専攻公開セミナー, 2012年12月(筑波大学)
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  • 石川孝博, 光合成生物におけるビタミンC研究の新展開.日本農芸化学会中四国支部第4回農芸化学の未来開拓セミナー講演.2011年5月(岡山大学)
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  • 石川孝博, 光合成生物のアスコルビン酸生合成とアスコルビン酸ペルオキシダーゼを介したレドックス環境応答機構.信州大学ヒト環境科学研究支援センター 生命科学分野 遺伝子実験部門講演会 2010年6月(信州大学・上田キャンパス)

 

競争的研究資金獲得

  1. 科研費 挑戦的研究(萌芽)(代表)
    果実におけるアスコルビン酸高蓄積の分子機構に迫る 2019年7月~2021年3月

  2. 科学研究費補助金 基盤研究(B)(代表)
    光による植物アスコルビン酸生合成調節の分子メカニズム解明 2017年4月〜2021年3月
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  3. 科学研究費補助金 挑戦的研究(萌芽)(代表)
    新規安定型アスコルビン酸プローブによる植物アスコルビン酸結合タンパク質の探索 2017年6月~2019年3月
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  4. (独)科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業 チーム型研究CREST(代表)
    研究領域「藻類・水圏微生物の機能解明と制御によるバイオエネルギー創成のための基盤技術の創出」
    研究課題名「形質転換ユーグレナによるバイオ燃料生産基盤技術の開発」 H24.10〜H30.3
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  5. 科学研究費補助金 基盤研究(B)(代表)
    ソース・シンク器官におけるアスコルビン酸プールサイズ制御機構の解明  H24.4〜H28.3
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  6. 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 (代表)
    植物アスコルビン酸輸送機構解明のための分子遺伝学的アプローチ H22.4〜H24.3
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  7. 三島海雲記念財団 学術研究奨励金(代表)
    果実におけるビタミンC生合成調節機構の解明 H22.7〜H23.6
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  8. 科学研究費補助金 基盤研究(B)(代表)
    光合成生物におけるアスコルビン酸生合成経路の多様性と調節機構の解明 H21.4〜H24.3
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  9. (財)農芸化学奨励研究会 研究奨励金(代表)
    植物ビタミンC生合成調節に関わるVTC2の機能解析 H20.4〜H21.3
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  10. (財)住友財団 基礎科学研究助成(代表)
    植物におけるアスコルビン酸プールサイズ制御機構の解明 H19.10〜H20.11
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  11. 科学研究費補助金 基盤研究(C)(代表)
    レドックス制御による植物モデル実験系の確立とストレス耐性機構の解明 H18.4〜H20.3
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  12. 科学研究費補助金 若手研究(B)(代表)
    葉緑体型アスコルビン酸ペルオキシダーゼの選択的スプライシング機構解明 H14.4~H16.3
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  13. (財)RITE 優秀研究企画(代表)
    レドックス制御を利用した複合的環境ストレス耐性植物の創出 H14年度

 


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