丸田グループでは植物におけるアスコルビン酸分解・ターンオーバー制御に関する研究に2020年頃から取り組みはじめました。アスコルビン酸は植物にもっとも豊富に存在する水溶性抗酸化剤であり、細胞内のレドックスバッファーとして不可欠な役割を担っています。アスコルビン酸を介した植物の環境応答を理解する上で、1)アスコルビン酸の分解の分子機構と制御機構、2)分解産物の生理作用や代謝を解明することはとても重要です。もう一つ注目すべき点は、植物(野菜や果物)は私たちヒトへのアスコルビン酸の主な摂取源であり、これらの農作物におけるアスコルビン酸含量は収穫後に著しく低下することです。つまり、アスコルビン酸の分解が収穫後に促進されるため、流通や保存の過程で重大なアスコルビン酸ロスが生じます。したがって、アスコルビン酸の分解に関する研究を再生研究と組み合わせることによって、収穫後のアスコルビン酸含量の維持を可能にするバイオテクノロジー技術の開発につながると期待されます。以下、これまでに分かっていることや、本研究の目的などを示します。

 最終更新:2021年9月

最近のテーマ

・光遮断によるアスコルビン酸分解の分子制御機構

・アスコルビン酸分解産物の生理作用と代謝


アスコルビン酸分解経路の概要

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