[論文発表]バイオマス生産を高めたユーグレナの分子育種に成功

2015年5月22日

Takahisa Ogawa, Masahiro Tamoi, Ayako Kimura, Ayaka Mine, Harumi Sakuyama, Eriko Yoshida, Takanori Maruta, Kengo Suzuki, Takahiro Ishikawa, and Shigeru Shigeoka
Enhancement of photosynthetic capacity in Euglena gracilis by expression of cyanobacterial fructose-1,6-/sedoheptulose-1,7-bisphosphatase leads to increases in biomass and wax ester production. 
Biotechnology for Biofuels, 2015, 8:80. リンク先(オープンアクセス)[DOI: 10.1186/s13068-015-0264-5]

形質転換技術によりバイオマス生産性を高めたユーグレナの分子育種に成功し、Biotechnology for Biofuels誌にて発表しました。これは戦略的創造研究推進機構(CREST) 採択課題『形質転換ユーグレナによるバイオ燃料生産基盤技術の開発(代表:石川)』の研究成果であり、近畿大学農学部(重岡成 教授、田茂井政宏 准教授、小川貴央 博士研究員ら)との共同研究です。

[概要]微細藻類ユーグレナは炭素鎖が短く、セタン価の高いワックスエステルを大量に生産することができるため、未来のバイオ燃料のソースとして期待されています。これを実現するためには、ユーグレナのバイオマスやワックエステル生産性をさらに高めたスーパーユーグレナの分子育種が重要です。本研究では、ユーグレナの形質転換技術を初めて確立し、ラン藻由来の光合成関連酵素FBP/SBPaseを葉緑体で発現させることにより光合成能力を促進させ、強光および高CO2環境下での生育速度を高めることに成功しました。この形質転換株(EpFS4:下図)では、ワックスエステル合成の基質となるパラミロン(多糖)の合成能力も高まり、結果としてワックスエステル生産性を飛躍的に向上させることができました。今後、他の遺伝子(ワックスエステル合成関連酵素など)と組み合わせた多重遺伝子導入株の作出や、効果的な培養条件の検討などにより、バイオ燃料資源としてのユーグレナにますます期待が高まります。

ユーグレナ


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