丸田 隆典 Maruta Takanori

■自己紹介■

名前:丸田 隆典(まるた たかのり)
生年:1980年
出身地:佐賀生まれ、大阪育ち
趣味:写真、読書、料理
マイブーム:子育て
特技:話の味付け
モットー:嘘はつかない
今年の目標:感動小説で泣いてみたい/減煙
最近のできごと:お酒を飲まなくなったら健康になった気がします
mail: marutaあっとlife.shimane-u.ac.jp (“あっと”を”@”に置き換えて下さい)

 

■略歴■
1999年3月 大阪府立登美丘高等学校 卒業
2003年3月 近畿大学農学部食品栄養学科 卒業
2005年3月 近畿大学大学院農学研究科 博士前期過程修了
2005年4月-2006年2月 近畿大学学術フロンティア研究補助員
2009年3月 近畿大学大学院農学研究科 博士後期課程修了(農学博士)
2009年4月-2011年2月 戦略的創造研究推進事業(CREST)博士研究員(於・近畿大学農学部)
2011年3月-2016年2月 島根大学 生物資源科学部 生命工学科 助教
2012年4月-現在 島根大学大学院生物資源科学研究科 生物生命科学専攻 担当
2012年10月-現在 鳥取大学大学院連合農学研究科 担当
2014年9月-2016年8月 日本学術振興会 海外特別研究員(兼任)(於・ゲント大学/VIB、ベルギー)
2016年3月-2021年3月 島根大学 生物資源科学部 生命工学科(現・生命科学科) 准教授
2018年4月-2021年3月 島根大学 学術研究院 農生命科学系 准教授
2018年4月-現在 島根大学大学院自然科学研究科 農生命科学専攻 担当
2021年4月-現在 島根大学 生物資源科学部 生命科学科 教授
2021年4月-現在 島根大学 学術研究院 農生命科学系 教授

 

■所属学会■
・日本農芸化学会(中四国支部参与、2017年4月-2019年3月および2021年4月-現在;Bioscience Biotechnology and Biochemistry誌編集委員、2021年3月-現在)
・日本植物生理学会
・日本ビタミン学会
・日本光合成学会
・American Society of Plant Biologists(アメリカ植物生理学会)

 

■担当講義■
学部
:バイオシグナル工学(3年生)、生命情報の科学(教養)、生化学英語演習(2年生/分担)、応用生化学実験(1年生)、その他オムニバス
大学院:応用植物生理学特論(分担)、Plant Stress Biology(留学生対象)、その他オムニバス

 

■研究内容■

 丸田グループでは、「なぜ、どのように植物はビタミンC(アスコルビン酸)を高蓄積するのか?」と「どのように植物は活性酸素と向き合っているのか?」という2つのピュアな疑問を背景に研究に取り組んでいます。これらの疑問は互いに密接に関連していて、植物の植物の環境ストレス耐性・応答の根幹をなしています。ビタミンC活性酸素、そしてレドックス制御をキーワードに植物の環境順応機構の解明を目指しています。

-背景-
 自然環境(光や温度、水分など)は常に変動的で、植物の成長や生存に悪影響をもたらします(環境ストレスといいます)。移動の自由を持たない植物は、芽生えた場所でひたすらストレスに耐え、忍び、子孫を残さねばなりません。「動けない」という宿命のため、植物は進化の過程で優れた環境適応能力を獲得してきました。そのため、「生存」という観点では、植物はちょっとやそっとのストレスにやられたりはしません。しかし一方で、私たちにとっての「農業資源・バイオマス」という観点では、環境ストレスによる農作物の収量低下は甚大です。特に、長い年月をかけて品種改良されてきた農作物は、味や収量とのトレードオフによって環境適応能力が弱まっています。そのため、植物が環境に順応する分子機構を詳細に解明することで、農作物の弱点を見つけ出し、バイオテクノロジーで補うことによって、農作物の収量アップに繋がると期待して研究に取り組んでいます。

 丸田グループの研究の基盤になっているもっとも重要な疑問は、「なぜ、どのように植物はビタミンC(アスコルビン酸)を高蓄積するのか?」ということです。植物は葉や果実などにアスコルビン酸を高濃度で蓄積します。その主たる理由の一つは、アスコルビン酸の抗酸化作用にあります。環境ストレスは光合成や呼吸など、酸素と関わりの深い代謝を撹乱し、結果として活性酸素種(Reactive Oxygen Species, ROS)の生成を促します。ROSは強い酸化力を持つ酸素分子種で、あらゆる細胞内成分を酸化し、破壊するポテンシャルを持っています。アスコルビン酸は優れた抗酸化作用(=ROS消去能力)を持っていてそのため、ROSこそがストレス障害の原因であり、「排除すべき毒」であると長年考えられてきました。

 一方、ROSは植物に外部環境を知らせる信号(シグナル)としても機能することが明らかになってきました。例えば、強い光の下では光合成がパンクしてROSの生成が促進されますが、これがシグナルとして働くことで防御遺伝子を活性化し、植物のストレス耐性能力を高めます(ストレス応答・順応、下図参照)。このように、植物にとってROSは「毒」にも「薬」にもなりうるため、これらの作用のバランスこそが植物のストレス耐性・応答性を決定する主要因になっています。そして、ROS作用のバランス制御に極めて重要なのがアスコルビン酸を中心とした抗酸化システムです。ROSの持つ強い「酸化力」と抗酸化剤・抗酸化酵素の「還元力」の相互作用からなる、酸化還元(レドックス)制御が植物の環境順応の鍵を握っているのです。そして、ROS制御にもっとも重要なのがアスコルビン酸(ビタミンC)です。

 

-研究課題-
このような背景から、
1)どのようにして植物が細胞レドックス状態を制御するのか
2)細胞内のレドックス変化がどのように認識され、情報として伝達されるのか
3)レドックス代謝やシグナル伝達がどのように植物のストレス応答・耐性機構と結びつくのか
について研究しています。特に、植物の主要抗酸化剤であるビタミンC(アスコルビン酸)とその代謝系に注目し、アスコルビン酸とROSの相互作用の観点から細胞内レドックス制御を介したストレス応答・耐性の分子機構の解明を目指しています。

 しばらく、ROSシグナル伝達機構の研究を進めてきて、特に葉緑体由来のH2O2シグナリングに関わる因子の同定やアウトプットを明らかにしてきましたが(J. Biol. Chem., 2012; B.B.B., 2013; Plant Sci., 2014, 2016など)、まだまだ代謝生理学的な観点からの理解が不十分であるなと痛感しました。例えば、私たちがよく実験に用いる強光ストレス条件下において、葉緑体でどのくらいのH2O2が生成され、それがどのようなレドックス変化を引き起こし、そしてどのくらい植物の生存にインパクトを持つのかすら理解できていないことを認識させられました。というワケで、2014年くらいからは、もっぱらレドックス代謝ネットワークの分子機構の解明にフォーカスしており、葉緑体におけるH2O2代謝の分子機構と生理学的意義、H2O2代謝のコンパートメント間でのクロストークという観点での研究や、未だ謎の多いアスコルビン酸再生の分子機構の解明に従事しています。また、石川グループと共同で、アスコルビン酸の生合成の調節に関する研究も進めています。まだまだわからないことだらけですが、アホみたいに(でも目的をもって)色んな多重変異株を作出して解析してみると、これまでの理解とはかなり違う新しい事実や不思議な現象が見えてきています。

 国際交流・共同研究も活発で、ゲント大学(ベルギー)のFrank Van Breusegem教授のグループと共同でROS誘導性細胞死の分子機構に関する研究を進めています。

 これらの研究を通して、植物のレドックス代謝のアウトラインを明確にし、様々な生理学的プロセスの調節(シグナル伝達系)における役割を解明することによって、最終的には植物の育種やストレス診断技術への応用を目指します。

 このような研究に興味があり、なんかやってやろう!という野心のある学生さんは、いつでも研究室を見学しにきてください(生物資源1号館409室)。

 また、たくさんのレドックス代謝関連の多重変異株(シロイヌナズナ)を取り揃えていますので、興味ある方がいましたら丸田までご連絡ください。

-テーマ-

1)アスコルビン酸と活性酸素の相互作用と環境順応

  • アスコルビン酸と環境順応(準備中)
  • アスコルビン酸生合成の分子制御機構(詳しくはコチラ
  • アスコルビン酸再生の分子機構と生理学的意義(準備中
  • アスコルビン酸ペルオキシダーゼの生理機能(準備中
  • アスコルビン酸分解の仕組みと意義

2)活性酸素の「シグナル」としての生理作用

  • 葉緑体由来のH2O2を介したシグナル伝達機構(準備中
  • 活性酸素誘導性細胞死の分子制御機構

 

■研究業績■

[著書・論文など]

丸田の研究業績は下記リンクでご覧ください。

 

[受賞]

  • 日本農芸化学会2010年度大会トピックス賞 2010年3月
    – – –
  • 日本ビタミン学会 奨励賞 2013年5月
    アスコルビン酸代謝を介した活性酸素種の生理活性調節
    – – – 
  • 日本農芸化学会 2015年度大会トピックス賞 2015年3月
    – – –
  • 日本農芸化学会 農芸化学奨励賞 2021年3月
    植物環境順応におけるアスコルビン酸と活性酸素種の相互作用に関する研究

 

[プロジェクトなど]

  • 科研費 挑戦的研究(萌芽) 代表
    独自の順遺伝学アプローチによる植物の活性酸素誘導性プログラム細胞死の分子機構解明
    2020年7月〜2023年3月

  • 科研費 挑戦的研究(萌芽) 分担(代表:石川孝博教授)
    果実におけるアスコルビン酸高蓄積の分子機構に迫る

    2019年7月~2021年3月
  • 科研費 挑戦的研究(萌芽) 代表
    真の植物ビタミンC再生機構の解明
    2018年7月~2020年3月
  • 日本学術振興会 二国間交流事業 (共同研究) 代表
    Genetic framework for oxidative stress signaling in plants
    相手国グループ:ベルギー(FWO)ゲント大学/ VIB、Frank Van Breusegem教授
    2018年4月~2020年3月
  • 科研費 基盤研究 (B) 分担(代表:石川孝博教授)
    光による植物アスコルビン酸生合成調節の分子メカニズム解明
    2017年4月~2021年3月
  • 日本学術振興会 海外特別研究員
    酸化的シグナリングと植物のストレス応答機構の解明(ゲント大学/ ベルギー)
    2014年9月~2016年8月
  • 科研費 若手研究 (B) 代表
    活性酸素を介した新奇ストレス応答機構の解明
    2012年4月~2014年3月
  • 科研費 基盤研究 (B) 分担(代表:石川孝博教授)
    ソース・シンク器官におけるアスコルビン酸プールサイズ制御機構の解明
    2012年4月~2016年3月
  • 科研費 研究活動スタート支援 代表
    活性酸素応答性の新奇転写因子を介した植物のストレス応答機構の解明
    2011年8月~2012年3月

 

[シンポジウム・招待公演]

  • 第62回日本植物生理学会
    シンポジウム:植物レドックス生物学の最前線:レドックス調節、酸化ストレスおよびシグナル伝達

    丸田隆典「なぜ、そしてどのように植物はアスコルビン酸を高蓄積するのか?」
    2021年3月
    – – –
  • 第72回日本ビタミン学会
    若手シンポジウム:ビタミン・バイオファクター研究の新潮流
    丸田隆典 「アスコルビン酸のレドックスサイクルと植物の光環境順応:ようやく見えてきた酸化ストレス防御機構の頑健性とその分子基盤」

    2020年6月

 

[丸田グループメンバーの受賞/プロジェクト

  • 日本学術振興会特別研究員(DC1)(2021年4月-2024年3月)
    菊樂香奈
    活性酸素パラドクスの解明に基づく植物の酸化ストレス誘導性細胞死機構の解明
    – – –
  • 令和2年度 島根大学 学生表彰(2021年3月)
    菊樂香奈
    – – –
  • 自然科学研究科生命科学コース 最優秀修士論文発表賞(2021年3月)
    菊樂香奈
    – – –
  • 日本化学会 令和2年度中国四国支部 支部長賞(2021年3月)
    石橋 可菜
    – – –
  • 日本ビタミン学会 若手海外優秀発表賞(アムウェイアワード)(2020年6月)
    菊樂香奈
    – – –
  • 笹川研究助成(2020年度)
    菊樂香奈
    植物の環境順応における「活性酸素パラドクス」を紐解くトランスクリプトーム解析
    – – –
  • 日本農芸化学会 中四国支部奨励賞(学生部門・修士)(2020年3月)
    田中 澪
    – – –
  • 日本農芸化学会 2019年度 西日本・中四国支部合同大会 優秀発表賞(2019年11月)
    菊樂香奈、小川貴央、石川孝博、Frank Van Breusegem、丸田隆典
    酸化ストレス誘導性細胞死のレドックス制御
    – – –
  • 日本化学会 平成30年度中国四国支部 支部長賞(2019年3月)
    上野祐美
    – – –
  • 第9回日本光合成学会 ポスター優秀賞(2018年5月)
    酸化的ストレス応答における光合成レドックス代謝制御の役割
    亀岡峰志、岡安嵩也、小川貴央、石川孝博、Frank Van Breusegem、丸田隆典
    – – –
  • 笹川研究助成(2017年度)
    寺井佑介
    植物抗酸化システム研究の新展開:真のビタミンC再生機構の解明
    – – –
  • 2017年島根大学大学院生物科学研究科 研究活動中間発表 ポスター賞(2017年3月)
    三冨 弦
    植物の光ストレス応答におけるH2O2代謝のクロストーク
    – – –
  • 2014年度 日本農芸化学会中四国支部学生奨励賞(学生部門・学部)(2015年3月)
    岡安嵩也

 

■丸田グループメンバーの卒論・修論テーマ■

博士論文

学生 博士論文タイトル
1. 菊樂さん 酸化ストレス誘導性細胞死の分子制御機構(仮題)

修士論文

学生 修論タイトル
11. 岩上さん 窒素欠乏条件におけるアスコルビン酸代謝の制御と生理学的重要性(仮題)
10. 菊樂さん 酸化ストレス誘導性細胞死におけるパラドクス現象の分子機構(2020)
9. 田中さん モノデヒドロアスコルビン酸還元酵素の生理機能に関する包括的研究(2019)
8. 亀岡さん 葉緑体レドックス制御を介した光ストレス順応の分子機構(2019)
7. 三冨さん 植物の光ストレス応答におけるH2O2代謝経路の相互作用(2017)
6. 寺井さん 植物におけるデヒドロアスコルビン酸還元の分子機構(2017)
5. 城間さん 光および葉緑体由来のシグナル伝達系によるアスコルビン酸生合成の制御機構(2016)
4. 岡安さん 植物の光酸化的ストレス応答における光合成レドックス代謝クロストークの解析(2016)
3. 森本さん シロイヌナズナにおける活性酸素種応答性NAC転写因子ファミリーの包括的な機能解析(2015)
2. 大和さん 植物ホメオドメインロイシンジッパー転写因子のレドックス制御(2014)
1. 高橋さん ペルオキシソーム型モノデヒドロアスコルビン酸還元酵素によるシードリング発達およびストレス応答の制御(2014)
   

卒業論文

学生 卒論タイトル
23. 山下さん アスコルビン酸分解の分子機構と生理学的意義(仮題)
22. 小田垣さん アスコルビン酸の酸化・分解産物の毒性(仮題)
21. 有馬さん デヒドロアスコルビン酸を介したタンパク質レドックス制御(仮題)
20. 濱田さん 植物のアスコルビン酸ターンオーバー制御における再生系の重要性(2020)
19. 石橋さん 光呼吸依存のH2O2誘導性細胞死へのグルタミン合成酵素の関与(2020)
18. 松原さん 葉緑体H2O2応答のマーカー遺伝子の探索と解析(2019)
17. 谷村さん VTC3タンパク質によるアスコルビン酸生合成酵素の調節(2019)
16. 岩上さん 植物の栄養ストレス応答とレドックス代謝制御(2019)
15. 菊樂さん 光ストレス応答におけるH2O2代謝酵素の機能的相互作用(2018)
14. 上野さん 植物のアスコルビン酸再生系におけるグルタチオン依存および非依存経路(2018)
13. 田中さん シロイヌナズナにおけるモノデヒドロアスコルビン酸還元酵素の包括的な機能解析(2017)
12. 亀岡さん 複合的な光合成レドックス変化の光ストレス順応への影響(2017)
11. 横山さん ペルオキシソーム型アスコルビン酸ペルオキシダーゼの逆遺伝的解析(2016)
10. 伊藤さん VTC2共発現遺伝子解析に基づく新規アスコルビン酸生合成制御因子の探索(2016)
9. 寺井さん シロイヌナズナにおけるデヒドロアスコルビン酸還元酵素の包括的な機能解析(2015)
8. 城間さん アスコルビン酸生合成系の光制御における葉緑体発達および植物ホルモンの役割(2014)
7. 岡安さん 葉緑体レドックス代謝およびシグナリング制御におけるWater-water cycleおよびサイクリック電子伝達系の役割(2014)
6. 森本さん 葉緑体由来のH2O2応答性NAC転写因子群の包括的な機能解析(2013)
5. 佐々木さん 葉緑体発達はアスコルビン酸生合成系遺伝子群の発現を制御する(2013)
4. 井上さん ユーグレナにおける構成的高発現プロモーター領域の単離と機能解析(2013)
3. 大和さん ホメオドメインロイシンジッパー転写因子を介したレドックスシグナリングの制御機構(2012)
2. 高橋さん ペルオキシソームにおけるモノデヒドロアスコルビン酸還元酵素の生理機能(2012)
1. 芦田さん 葉緑体由来の酸化的シグナリングに関与するHD-ZipII転写因子の機能解析(2011)
   

 

 


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